四方山話

四方山話

はじめまして、放送技術本部の飯田亘弘です。
1月も終わる頃、都内でも雪が降るなど寒暖差のある季節が続くなか、コロナ禍の新しいニュースも続いている日々、皆さんなりのニューノーマルは見つかりましたか。
新年から箱根駅伝を皮切りに、この1ケ月たくさんのスポーツ中継を制作協力してきた当社ですが、私たち放送技術の面々も、実は放送局の中で様々な形で関わっています。

今回は、その仕事の四方山話(よもやまばなし)です。

まず、中継番組を制作するサブコン。

サブ・コントロールルーム略してサブコン。中継番組を作るには欠かせない場所ですよね。
例えば、箱根駅伝は、往路距離(107.5Km)、復路距離(109.6Km)合計(217.1Km)という長距離を競うものです。沢山の中継ポイントは、特定のエリアでまとめられて、サブコンに集約されています。

中継される映像の色味を調整する作業ひとつを取ってみても、時間・天候・感染予防などに配慮しながら、進める苦労は想像の域を超えます。

また中継現場に携わる技術スタッフも、選手と同じ様に全国の系列局から精鋭スタッフが集まって中継をしています。その中に同じ会社のスタッフがいることは、どれほど心強いことか・・・。 ご覧いただいた皆さんも、レース内容と同じ様に、映像クオリティの高さを実感されたのではないでしょうか。

途中にCMが入りますが、その時に過去の競技映像が短く流れる、アレ。

実は、番組が作ったものを別な職場からサブコンに向けて再生しています。
CMとは違い人間が手動で流しているイメージです。
今年の復路では、各校の待機する選手がテレビを見ながら喜ぶ姿もありました。
誰かが「スポーツはいきもの」といったように、往路の順位がわかったところで、復路の準備もし直します。
中継の場合は、事前に中継地点との回線を接続してクオリティを確認するので、そこでも巻き込んだ準備となります。 テレビ局には回線をつなぐ専門の職場があります。一般的には、「回線●●」という名称が多いです。

テレビ局にとって新年のスポーツ中継は、駅伝だけはありません。
高校生のサッカー全国大会もあります。

特に1月2日は、その試合数がピークを迎えます。
8会場16試合です。
回線を繋ぐ職場にとっては、まさに繁忙期です。

ここで束ねた各会場の中継映像は、系列局にも送り、地方の中継番組としても流れます。

直接応援できない今、この映像を届ける使命は例年以上に緊張するものです。駅伝もサッカー中継も、社会から注目されているイベントだけに、生放送を終えたら終わり、という事ではありません。地上波を終えてもBS放送やネット配信などに関わっています。

再放送にむけた編集は、収録・編集・送出を一手に行える専用のマシンで作業しています。
これも放送局の中で、生放送と並行して制作をしている面々です。
あの時の興奮がもう一回味わえる仕掛け人ですね。
その編集を支えているのは、中継映像だけはなく、中継先から放送に流れかなった映像をインターネット転送させて専用のサーバーに蓄積、それを中継映像に交えてつなぐ技術など、テレビ局の中の仕事は続いていきます。

スポーツ中継は、「選手」「その姿を伝え続けるスタッフ」のほかに、そのスタッフを24時間いつでも支え続ける仕事をする人たちの3つが最高のバランスとなって、みなさんの記憶と心に何かを残している・・・のかもしれません。

Text by
放送技術本部
飯田亘弘