報道スタジオで働く音声さんってどんなことしてるの?

報道スタジオで働く音声さんってどんなことしてるの?

こんにちは。
報道スタジオで音声として働く 板垣といいます。

皆さんは「音声さん」と聞いてイメージするのはどんな姿ですか?
TVやロケで見かける長いブームマイクを持っていたり、ヘッドホンをして小型のミキサーを触る。そんなイメージがありますよね?

では、「TV局の音声さん」と聞いてどんな姿をイメージしますか?
同じようにブームマイクを持っているんじゃないの?と思いましたか?
いいえ。実は、報道スタジオの音声はブームマイクを手にすることは
ほとんどありません。
私たちがよく手にするものは、ピンマイクやスタンドマイク、使用するミキサーも大きなミキサー卓で、あの「音声さん」とは少し違います。

そんな「スタジオで働く音声さん」について、ちょっとご紹介したいと思います。

【どこで働いているの?】

「スタジオ」と付くだけあって報道のスタジオ と
サブコントロールルーム(副調整室)で仕事をしています。

  • スタジオの中は機材が温まらないように少し寒いのですが、
    雨や猛暑など天候に左右されないので快適です♪
  • サブコントロールルーム、(通称サブコン)は、放送に乗せる
    映像や音声を選択したり調整したりするところです。
    モニターがたくさんあって音声が見るモニターだけでも
    24台もあるんですよ!こちらは長袖でちょうどいいくらいの気温です♪
スタジオの中では上着が必須!

【担当している番組は?】

    主に報道番組、ニュース番組を担当しています。
  • 平日に放送している「news every.」「news zero」「Oha!4」
    土日の「ストレイトニュース」「every サタデー」
  • 特番系「台風の特番」「地震の特番」
    (急にニュース番組に切り替わるアレ)「選挙の特番」など
  • あとは「続いては報道フロアからニュースをお伝えします」
    と言う出だしから始まる時間の短いニュースコーナーも
    担当しています。

【仕事の内容は?】

  • ミキサー作業
  • マイク付け
  • 番組で使う機材の準備
  • 機材の修理
    担当している番組に向けて準備をして放送するのが仕事です。
    番組の放送がない時間帯は待機時間となり、何かが発生したときにすぐに放送できるように
    常にスタンバイをしています。
    機材がすぐそばにあるので機材の使い方を学んだり、音声システムの勉強もできちゃいます。

そんな報道の仕事はミキサーとアシスタントが対になって仕事をしています。

【ミキサーって どんなことするの?】

放送で使う音のバランスを整える人で OAに乗せる音の責任者です。
フェーダーの数が60もある大きなミキサー卓を使います。
主にサブコンで仕事をします。

【出演者の声】【VTRの音】【中継先の音声】などを音量の差がでないように調整しています。
【天気などのBGM】を流すこともあります。

中継先の音声も回線状況が悪いと中継が切れてしまうので、事前にチェックをして問題がないように準備をします。
急な事件、事故によって予定していた番組内容が変更になった際には、
OAに乗せる音を調整しながら、白紙になった番組の進行をディレクター、タイムキーパーの声を聞きながら バタバタしていても何事もないようにOAをしています。(何事もないようにがポイント!)

【音声アシスタントって どんなことするの?】

  • ピンマイクとイヤホンを付ける
  •    キャスターにマイクとイヤホンをつけます。
       毎日変わる衣装に合わせて適正な位置に、マイクをつけるように心掛けています。
       イヤホンからはOAが聞こえています。あとはディレクターからの指示なんかも聞こえています。
       報道番組のキャスターはイヤホンをつけることが多いのですが、
       耳にイヤホンがついているのに気がつきましたか??
  • 使用機材の準備
  •    その日の放送で使う機材を準備します。最近は使用機材の消毒もしています。
  • OA中のトラブルの対処
  • 予備マイクのスタンバイ
  •    OA中にキャスターが使っているマイクやイヤホンにトラブルが起きたときに
       予備のマイクを出すなどの対応をします。
       その他スタジオ内で起きるトラブルすべてに対応します。

★音声アシスタントの特権★
   たまに有名な方がゲストで来たときにも音声が直接マイクをつけるので
   会話などはできませんが、とても近くで見ることができます☆

報道の仕事は世の中に動きがあると忙しくなります。

選挙の日は長時間の特別番組があったり、台風や地震の際は番組を中断して特別番組を放送することもあります。

急な特別番組のときは 進行表もなく出演者も分からない状態でスタートすることが多くあります。

中継なども事前に音声チェックが出来ない状態で放送に乗ることが多々です。
そんな中でも視聴者の方に聞きやすい音を届けることを目標にミキサーは最大限努力しています。
また、急遽ゲストが出演したり最初とは別のアナウンサーが出演することもあり、アシスタントは番組スタッフから情報を収集しながらマイクを準備するなど臨機応変に仕事をしています。

「スタジオで働く音声さん」のこと、少しは伝わったでしょうか?
私たちの仕事はニュース番組の生放送に向けて準備をし、
OAを無事に終わらせるのが最大の仕事で日々それの繰り返しです。

報道は基本的に生放送です。
生放送中のトラブルはすぐに放送事故につながってしまうので、トラブルがあっても即座に対処ができるようにミキサー、アシスタント共に番組放送中は緊張感を持って仕事をしています。

ロケなどとは違い、あまり人目に触れる仕事ではないですが、
テレビから何気なく流れているニュース番組の裏で大きなミキサー卓を駆使しピンマイクを手に
私たちは今日も仕事をしています。

Text by
放送技術本部
報道・スタジオ技術グループ板垣 絵里