ピンマイクのつけ方講座

ピンマイクのつけ方講座

こんにちは。
報道スタジオの音声を担当しています板垣です。

突然ですが、ニュース番組で右のような洋服をテレビで見た時
ピンマイクはどこについているか覚えていますか?

「簡単!マイクの位置は目につくから あそこで間違いないよ」という方もいると思いますが、
意外と認識している人が少ないのが現状なんです。

テレビを見ると必ずと言っていいほどついているピンマイクなのに、あまり目立たない存在。
つける位置も重要だったり、実はつけ方にもこだわりがあります。

そんなピンマイクに少しは注目してほしい!!というわけで、
意外と(?)重要なピンマイクのつけ方についてご紹介したいと思います。

ピンマイクはキャスターの声を放送に乗せるために必要なもので、
マイクをつける位置によって音質や音圧、音の取りやすさやが変わってくるなど、
見た目は小さいですが放送をする上で非常に大切なんです!

【位置の目安】
つける場所の目安は だいたい胸の位置。
理想は体の真ん中です。
ホッと胸をなで下ろすときに手を置く場所ありますよね?
そこです。そのあたりを目安につけていきます。

【つける時の注意点】
・口元に近づけすぎない
・アクセサリー、洋服の一部、髪の毛に当たらないようにする
・マイクピンにケーブルを くるん とする
上の2つは雑音が入ってしまいます。
口元近くだと、息がかかってボコボコとした音が入りますし
マイクに物が当たると直接音を拾ってしまうからです。

くるん とはケーブルをマイクピンに巻きつけてテンションをかけることです。マイクケーブルの保護や装着を安定させます。

マイクを服につける時に必要となってくるのが クリップと呼ばれる、通称「マイクのピン」です。

【マイクのピンの種類】
私たちのいるスタジオでは、
通称【横ピン】【縦ピン】【安全ピン】と呼ばれる3種類を使用しています。(下部写真参照)
横ピン、縦ピンはクリップ部分をつまむと反対側が開くようになっています。
安全ピンはその名の通り針がついていて、挟む所がなくても好みの場所につけることができます。

マイクをつけるにあたっての基本情報はこのくらいにして…

ではこちらの洋服なら、マイクはどこにつけるのがベストでしょうか?

これらはよくテレビで見かける洋服なので、想像もつきやすくて簡単だったでしょうか?

私ならここにつけると思います。

スーツやジャケットには横ピンを使います。
ゲストがよく向く側の下襟の部分につけます。
左右どちらも向くという場合はネクタイにつけることもあります。

Yシャツは横ピンを使用します。
Yシャツは前立てと呼ばれる生地と生地が合わさる部分につけます。
体の中心につくことが多いです。
声量によっては位置を上下させますが、襟の近くにつけると息がかかってしまうので距離には注意が必要です。

横ピンだと少し端についてしまうので、縦ピンを使います。
これだと真ん中につけられます。
アクセサリーがあり、マイクに当たってしまいそうな場合は中心にこだわらず左右に少しずらします。

Tシャツは挟めるところが無いので、安全ピンを使ってつけていきます。
24時間テレビで着用するチャリTシャツには毎年様々なイラストが描かれていますよね。
例外もありますが、イラストの邪魔にならないような場所を探してつけていたりもしているんですよ。
(どうしてもイラスト部分につけてしまう時もありますが・・・)

続いては少し難しい洋服です。

つけるのならこのあたりだと思うけど、本当にここでいいのかな?と少し悩んでしまう洋服が多いですよね。
私も少し悩んでしまいますが、どこかにつけなければいけません。
先ほどの注意点を意識して、ベターな場所を探していきます。

Tシャツと同じく安全ピンを使用します。
首元からケーブルを引き出したり、後ろからケーブルを這わせて安全ピンを使ってとめます。

横ピンまたは安全ピンでつけます。
生地の素材などで使うピンが変わってきます。
安全ピンを使用するときは、
生地がマイクに当たらない位置につけます。

こちらの服にはどのピンを選択しましたか?
私は浅めの首元なら縦ピン、深めだったら横ピン、アクセサリーがあるなら安全ピンを選択します。
なんと!どのピンを使っても大丈夫なんです。大事なのは声の取りやすさです。
それを意識して首元の空き具合や声量によってピンを変更していきます。

このように洋服の種類や首元の形に合わせてマイクピンの形状を変え、
マイクに衣装の一部や、髪の毛、アクセサリーなどが当たらないように気をつけています。


ここまで何個か例をあげてみました。
見たことがあったマイク位置はありましたか?

さて、最初にお話ししたリボンがついている洋服ですが、
私ならリボンの下の部分につけたいと思います。

ですが、リボンの結び目、襟のところ、安全ピンで思い切りよけてつけたりなど…何通りもあります。
付ける人、番組内容、キャスターの動きなどを考えて最適な所につけます。

最近はコロナ禍なので、マイクもキャスターさんご自身につけてもらうことが増えています。
手直しが必要だったり、時間が無いときは私たち音声がお手伝いしますが、
以前に比べてつける機会が減ってしまうのもなんだか少しさみしいです。

講座といいつつ、それほど講座っぽくありませんでしたがいかがでしたか?
もちろん、ご紹介したものはスタンダードではありますが正解ではありません。

ピンマイクのつけ方は何通りもあります。
洋服やアクセサリーも新しいデザインがあって、
目新しいデザインの服にはどの位置に付けるのが最適か、毎回試行錯誤してつけています。

そこには音声さんのちょっとしたこだわりも詰め込まれています。

テレビを見ていてふとマイクに目がいったときに、
「スーツって本当にここにマイクがついてるんだ」と思っていただけたら嬉しいです。


最後までお読みいただき ありがとうございました♪

Text by
放送技術本部
報道・スタジオ技術グループ板垣 絵里