撮影助手って何?

撮影助手って何?

こんにちは。
制作技術本部 撮影コーディネートグループの森真生です。


私たちの部署には、予算や目的に合わせて撮影機材のコーディネートを担当する「テクニカルコーディネーター」と、実際に現場に出向いて撮影・データ管理を担当する「カメラマン」「撮影助手」「DIT」が所属しています。
※DITについては過去の記事「DITって何?」をご覧ください!

今回は、私が担当している「撮影助手」の仕事についてお話ししたいと思います。


撮影コーディネートグループでは主に、デジタルシネマカメラを使用した映画やドラマ、CM、MV、企業VPといった映像作品の撮影業務を中心に行っています。
このような撮影現場では機材量も多く、撮影に関する作業や知識が多岐にわたっているためカメラマン1人では手に負えなくなってしまいます。
そこで、カメラマンの負担を減らすために「撮影助手」の存在が必須となるのです。
(ちなみに…デジタルシネマカメラにズームレンズ、モニターなど付けると20kgを超えることもあります。)



camera [カメラのセッティング例]


撮影助手は[チーフ・セカンド・サード]で役割を分担しています。映画や予算の多い作品ではフォース(見習い)が付く場合もありますが、基本的に撮影助手は3人です。
また、撮影によってはここにDITも加わります。そして撮影現場では、カメラマンも含めた撮影担当の部署を「撮影部」と呼んでいます。

では、実際どのような役割分担なのか、具体例を挙げてみましょう。


[チーフ]
撮影に必要な機材の発注と助手集め
照明のバランスを計測し、カメラの露出を管理する
(必要に応じてカメラマン・照明部と相談)

[セカンド]
レンズの特性や各カットの狙いを理解してフォーカスを送る
(オートフォーカスが優秀になった現在でも、お芝居や動きに合わせたフォーカス送りは人の手で操作することがほとんどです)
バレものが無いか、ハレーションが出ていないかなどを確認して、画角内に写ってはいけない不要なものを取り除く

[サード]
撮影機材の管理(DIT・データマネージャーがいなければ収録メディアの管理も行うことがある)
現場でのモニター出しやバッテリー残量のチェック


大きくはこのように役割が決まっています。
なんとなくイメージできましたでしょうか?


日本の撮影部のキャリアとしては、見習いもしくはサードから始まり→セカンド→チーフ→カメラマンとステップアップしていくのが一般的です。

撮影助手はフリーランスの方も多いですが、「これから撮影部で働きたい!」という場合は研修生として機材レンタル会社に所属したり、弊社のような社内に撮影部がある制作会社や技術会社に所属するというルートもあります。

コスモ・スペースではARRI・SONY・REDのシネマカメラも所有していますので、気になることがあれば実機を触って確認したり、分からないことは経験豊富なカメラマンやDITにいつでも聞ける環境にあるというのが、良いところの一つではないかと思っています。

これを機に撮影助手の仕事にも興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Text by
制作技術本部
撮影コーディネートグループ森 真生