あなたのWebサイトは大丈夫?ウェブアクセシビリティ対応の義務化

きっかけは「障害者差別解消法の改正」から

企業のウェブサイト運営担当者の中には、2024年4月1日から施行となる「改正障害者差別解消法」が気になっている方もいらっしゃると思います。

今回の改正で、国の行政機関・地方公共団体等は「障害者に対し、合理的配慮を行わなければならない」と、「法的義務」となる一方で、民間事業者にも「障害者に対し、合理的配慮を行うように務めなければならない」という「努力義務」が課せられることになりました。

ここでいう「合理的配慮」というのが重要な部分で、端的に言うと「ウェブサイトの情報へアクセスしやすい(アクセシビリティ)環境の整備」と位置づけられ、それに向けて計画的に改善を推進することが求められる、というものです。

このあたりの詳しい情報は、以下のサイトが参考になります。

・総務省公的機関に求められる ウェブアクセシビリティ対応(PDF)
・デジタル庁ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック

どのように対応するか?

「ウェブアクセシビリティ」の規格は?

日本におけるウェブアクセシビリティの最初の規格と言われる「JIS X 8341-3」が2004年に公示されました。その後、2010年と2016年に改正版が公示されました。

また、世界ではインターネットの各種規格を策定・勧告しているW3C(World Wide Web Consortium)という団体が勧告しているガイドライン「WCAG」で、2012年に国際規格のISOからWCAG 2.0と内容が全く同じ「一致規格」としてISO/IEC 40500:2012が出されました。

現在は、「WCAG 2.0」と「ISO/IEC 40500:2012」と「JIS X 8341-3:2016」は全く同一の一致規格となっているので、日本の場合は、「JIS X 8341-3」をガイドラインとして対応するのが良さそうです。

「JIS X 8341-3:2016」には、レベルAからAAAまで3つの達成基準が設けられており、レベルAは25項目、レベルAAは13項目、レベルAAAは23項目と、全部で61項目あり、それぞれの項目に対して、どれくらい対応しているかを示す3つの対応度があります。

<対応度>
・準拠・・・試験を実施し、達成基準を全て満たしていることを確認した上で、試験結果を公開する
・一部準拠・・・試験を実施し、達成基準の一部を満たしていることを確認する。試験結果の公開は任意
・配慮・・・試験の実施の有無、結果は問わない

企業サイトの対応状況は?

少し前の調査ですが、一般企業におけるウェブアクセシビリティ方針と試験結果をまとめているページがありましたので、参考までにご案内いたします。

・ウェブアクセシビリティ基盤委員会
「一般企業におけるウェブアクセシビリティ方針策定と試験結果表示の実態調査(2019年2月)」
https://waic.jp/resource/report/survey-corporations-201902/

この調査によると、適合レベル「AA」、対応度「準拠」を方針としているサイトが多く見えます。
また試験結果もページ単位で掲載しているサイトが多いようです。

逆に適合レベル「A」、対応度「配慮」とするサイトもありますので、対応は各社の方針によって違いがあります。


ウェブアクセシビリティ対応は、まずは現状の自社のサイトの対応度合いを把握し、それに対して最低限達成すべき適合レベル(レベルA)にどこまで達成しているかを把握することが取り組みの第一歩だと思います。

ウェブアクセシビリティ対応は弊社にご相談ください

コスモ・スペースでは「ウェブアクセシビリティ」対応にどのように取り組むかという計画段階から、現状のチェックやサイトの改修まで対応いたします。
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コンテンツビジネス本部
プロデュースグループ 小野寺浩二